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2009年7月 7日

剣客商売(池波正太郎)


秋山大治郎は無外流の剣術道場を構えているが、まだ一人の門人もいなかった。そんな大治郎と道場を建ててくれた父秋山小兵衛は、さまざまな江戸の事件、難問に立ち向かう。ともに剣術に生きる父と子の名コンビは、江戸の悪事を断ち切ることができるのか?7編を収録。

若い後妻を向かえ飄々と生きる小兵衛。だが、ひとたび事が起こると、まるで別人のような鋭さを見せる。そんな小兵衛と生真面目な息子大治郎のコンビは絶妙だ。どんな難事件も、どんな難問も、二人なら解決してしまうのではないだろうか。人情味あふれる鮮やかなストーリー展開、個性的な登場人物たちは、読み手を充分に魅了して離さない。1巻目を読んだら、絶対に全巻を読まずにはいられなくなる。そんな作品だ。大治郎の成長、小兵衛のこれからの活躍が楽しみだ。時代小説が苦手な人でも、充分楽しめる作品だと思う。

ゆこりん : 19:14 | 作者別・・いけなみしょうたろう