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2009年1月26日

告白(湊かなえ)


「大切な娘はもういない・・・。」
事故死として片付けられた娘の死が、実は殺人だった!しかも犯人は教え子!復讐を誓う女教師が、犯人にしたことは?彼女の告白は、聞く者に恐怖と衝撃をもたらした・・・。

4歳の女の子の死。実はそれは殺人だった・・・。この作品は、母親である女教師の告白を含め事件関係者の6つの告白で構成されていて、ひとつの事件を多角的に捉えられるようになっている。決して他人にはうかがい知ることのできない心の闇の部分が告白をすることにより浮かび上がってくるところは、それなりに衝撃を感じた。一番インパクトがあったのは、やはり最初の女教師の告白だ。娘を殺された母親のうらみが、ああいう形で現れるとは思いも寄らなかった。2つめから5つめまでの告白はどちらかと言うと平凡な感じだ。6つの告白を集めればどうしてもばらつきが出る。ひとつめの告白が衝撃的であればあるほど、そのほかの告白が平凡なものにしか見えないのは仕方がないことなのだろうか?また、ラストも個人的にちょっと不満が残る。あまりにも現実味がない。設定にも無理があると感じた。

ゆこりん : 15:01 | 作者別・・み他