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2009年1月28日

2022年の影(赤井三尋)


機械が意識を持つ。亡くなった個人のデータを入力すれば、それはまるで「死者が甦ったのでは!?」と思えるくらいの完璧な人格になる。人間が作り出した意識「シャドウ」。だが「シャドウ」は、自らの意思で行動するようになり、人間社会を危機に陥れた・・・。

意識を持った機械。人間と同じように、泣いたり、笑ったり、怒ったり、戸惑ったり、すねたりする。データさえきちんと入力すれば、死んでしまった人間とさえ話ができる。まるで夢のような話だ。だが、この画期的な技術にも落とし穴があった。機械が意識を持ちすぎるとどうなるか?バーチャル空間に存在する人格が人間の想定をはるかに上回り、独り歩きを始めたとき、人間社会を脅かす存在となった!大混乱に陥る人間たち。この危機的状況をどう解決するのか?ページをめくる手が止まらなかった。バーチャル空間に存在する人格は、生きていると言えるのか?生命体と見なすのか?システム停止は一種の「殺人」なのか?このことについても深く考えさせられた。内容的にはかなり面白い。けれど、ラストはまったくの期待はずれだった。なぜそうなったのか、理由も過程も分からないままだ。それまでの内容と比較すると、ページ数も少ないし、あっけなくお粗末だ。もう少し書き込んでほしかった。残念!

ゆこりん : 17:20 | 作者別・・あ他