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2008年12月 8日

ボクの町(乃南アサ)


警察学校の初任教養期間を終え警視庁城西警察署に配置された高木聖大は、警察手帳にプリクラを貼ったり、耳にピアスをしたりと、型破りだった。「自分は警察官に向いていないのではないだろうか?」そんな悩みを抱えていたある日、連続放火事件が起こった!

警察官になろうと思った動機が不純。しかも、どこからどこまで型破り。先輩にも平気でため口をきく。そんな高木聖大だったが、いろいろなできごとや人との関わりを経験し、少しずつ成長していく。そして、警察官という職業に対してもやりがいを見出していく。
こう書くと、一人の人間のさわやかな成長物語だと思うかもしれないが、読んでいてあまりそういう感じは受けなかった。聖大には、人間としての魅力がない。礼儀知らずで、面白くないことがあれば返事もせずにふくれている。いやな仕事のときは、さんざん口をこぼす。今どきの若者の姿を描いているのかもしれないが、読んでいて共感できないような極端すぎる人物像はどうかと思う。言葉遣いも、とても気になった。面白さをあまり感じず、最後まで読み通すのがしんどかった。

ゆこりん : 20:54 | 作者別・・のなみあさ