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2008年11月 5日

天涯の花(宮尾登美子)


終戦の年の9月18日に捨てられていた赤ん坊。その子は珠子といい、養護施設愛光園ですくすくと育っていった。木暮園長は珠子を養女にと望んだのだが、彼女は剣山の宮司白塚夫妻の養女となることを決意する。そこで待っていた生活とは?

「捨て子」だという身の上が常につきまとう。今と違い偏見の目で見られることの多かった時代の中で、珠子は自らの運命を切り開いていこうとする。若い女性が山の中で何の娯楽もなく過ごす・・・。普通なら耐えられなくなってしまうと思うが、彼女は自分が選んだ道をただひたすら突き進む。決して周りに流されることなく、おのれの信念を貫いていく。その強さには驚かされる。いろいろな人との出会いと別れを繰り返し、成長していく彼女の姿は凛として美しい。珠子のこれからの人生はいったいどうなるのか?もう少し彼女の人生を見つめたかった。

ゆこりん : 23:35 | 作者別・・み他