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2008年10月16日

冷たい校舎の時は止まる(辻村深月)


8人以外は誰も登校して来ない・・・。雪の日、学校に閉じ込められた彼らは、この中に2ヶ月前に自殺した者がいることを知る。やがて一人、また一人と校舎から消えていく。自殺したクラスメートは誰なのか?この不思議な空間を作り出した「ホスト」の正体とは?

学校という巨大な密室。そこで起こる、チャイムが鳴るたびに一人ずつ消えていくという恐怖に満ちたできごと・・・。8人の中に自殺したものはいるのか?この不思議な空間を生み出した者の目的は?不思議さと怖さが入り混じり、ページをめくる手が止まらなかった。逃げ場のない空間の中で必死に当時のことを思い起こし、何とか解決の糸口を見つけようとする8人。彼らのそれぞれの回想の中に手がかりがあるのだろうか?どんな些細なことも見逃すまいと必死に読んだ。ラストにかなりの期待をしたのだが、こういう持って行き方はどうなのだろう?ネタバレになるので詳しいことは書けないが、読む方としては何だかだまされた気持ちになる部分があった。「うーん、だからあの部分はあんなに長かったのね。でもね~・・・。」かなりの長さをがんばって読んだのに、その分報われてない気がする。無難にまとめられているとは思うが。

ゆこりん : 16:44 | コメント (2) | 作者別・・つじむらみづき


コメント

昨日読み終わりました。
一番すきなのは
菅原ですが、
違う意味で好きなのは
深月です。

皆が何かしら過去を抱えていて、
リアリティは感じるけど
どこか現実離れした
かっこよさを持っている。

そのなかで
一番深月が弱い。
でもそれは私達が
現実に持っているものだとも思えるんです。

ラストは
ほっとして
読み終えました。

この作品に、
辻村さんに出会えて
本当によかったです。

次は「凍りのクジラ」を
読もうと思っています。

投稿者 悠佳 : 2009年1月21日 17:16

>悠佳さん
はじめまして。
ラストはほっとして読み終えた・・・。
気持ち分かります。
私もそういう感じがしました。
ラストに救いがあってよかったです(*^o^*)
「凍りのくじら」は未読です。
私も読みたいわ~(^^;

投稿者 ゆこりん : 2009年1月21日 18:10