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2008年9月 5日
神はサイコロを振らない(大石英司)
10年前突然消息を絶ったYS11 402便が、羽田に帰還した!しかも乗客は10年前の姿のままで。奇跡のできごとはさまざまな波紋を呼ぶが、その先には残酷な運命が待っていた・・・。
消息不明だった飛行機の10年ぶりの帰還。迎える者たちは、喜び、驚き、とまどいなど、さまざまな心境を抱えていた。一方で、乗客たちの幾人かは、家族の衝撃的とも思える変化を目の当たりにする。10年という歳月は、どちらの側にとってもあまりに長すぎた。だが、限られた時間の中でその空白を埋めようとする人たち・・・。その姿はあまりにも切ない。
乗客たちが10年の時を超えて羽田に着陸したことや、その後の自分たちの運命をすんなり受け入れてしまうことには疑問を感じたが、刻一刻と迫る運命を前に、その時までをしっかりと生きようとする姿にはとても胸を打たれた。彼らにはまだまだやりたいことがあっただろうに。無念だったに違いない。ラストは涙が出た。いつの日かまた、YS11 402便が羽田に着陸することを、願わずにはいられない。
ゆこりん : 16:41 | コメント (2) | 作者別・・お他
コメント
こんにちは^^
この作品は、ドラマをちょこっとみて、原作があることを知って読み始めました。
引き込まれました。
ただのタイムスリップとは違いますよね。
家族との関わり、あまりにも切なかったです。
投稿者 苗坊 : 2008年9月14日 14:21
>苗坊さん
こんにちは~(*^▽^*)
切なかったですね~(TT)
10年・・・。ようやく気持ちの整理が
つき始めた頃に還ってくるなんて・・・。
しかも、飛行機の中の人たちは自分の運命を
知らないし。
大切な、かけがえのない人を喪う悲しみが
胸にしみました。
投稿者 ゆこりん : 2008年9月15日 13:43