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2008年7月 9日

おひとりさまの老後(上野千鶴子)


どうせ最後は一人になる。そして避けて通れない「老い」。一人で快適に老後を過ごすにはどうすればいいのか?一人で生きている人たちへの、そしてこれから一人で生きていこうとする人たちへの応援メッセージ(のようなもの?)。

厳しくひとことで言えば「得るものも共感できるものも、何ひとつない」。一人で暮らす知恵を語っているというより、積極的に一人暮らしを勧めている本だと思う。「夫と暮らすより、子供と同居するより、一人暮らしのほうがどれだけいいか!」著者はそんなふうに考えているのだろうか?そうとしか受け取れない。夫や子供がいない人といる人では、根本的な部分の考え方が違うと思う。それに、老後や介護の問題を楽観視しすぎていないだろうか?現実はもっと厳しい。誰もが健康でお金がある老後を過ごせるわけではない。理想論を振り回すのはいいけれど、もっと現実を見極めてから老後の問題を語ってほしい。上から見下ろすような書き方では、読み手の反感を買うだけだと思うのだが・・・。この本がなぜ売れたのか、まったく理解できない。

ゆこりん : 19:28 | 作者別・・う他