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2008年6月14日

覆面作家の愛の歌(北村薫)


ある女性が殺された。死亡推定時刻は夜中の12時。彼女は、殺される直前に婚約者の中丸に電話をかけていた。中丸のそばには、彼女を殺したのではないかと思われる南条もいた。南条はどのように彼女を殺害したのか?覆面作家新妻千秋の推理が始まる・・・。表題作を含む3編を収録。覆面作家シリーズ第2弾。

どの話も面白かったが、一番よかったのは表題作「覆面作家の愛の歌」だ。アリバイ作りのトリックが巧妙で、感心させられた。ちょっと複雑すぎて、理解するのに何度か読み直してしまったが(^^; 南条の、屈折しゆがんだ感情にはぞっとさせられた。「覆面作家のお茶の会」は、良介が関わる「推理世界」のライバル誌「小説ワルツ」の静美奈子の友人にまつわる話だが、家族が家族を思う気持ちにホロリとさせられた。この作品は、謎解きの面白さだけではなく、良介と千秋の微妙な関係にも面白さがある。はたしてこれから進展するのか?また、優介にも恋の季節が!?第3弾が楽しみだ。

ゆこりん : 14:25 | 作者別・・きたむらかおる