« 桜宵(北森鴻) | メイン | 覆面作家は二人いる(北村薫) »

2008年6月 6日

螢坂(北森鴻)


「今、歩いてきた坂道ね、螢坂と呼ばれているのよ」
そう言って微笑んでいた人は戻らない・・・。全てを捨て、己の道を突き進んだ男に突きつけられた真実とは?表題作を含む5編を収録。

「香菜里屋シリーズ」の3作目だが、この作品もしっとりとした味わいがある。一番印象深かったのは、5番目の「孤拳」だった。逝ってしまった大切な人との思い出を胸に抱きながら、幻の焼酎「孤拳」を捜す真澄。やがて知る大切な人「修兄ィ」の心に隠された真実の思い。そして「孤拳」に込められた願い・・・。読んでいてとても切なかった。ほかの作品も、人それぞれの心のひだに隠された思いがとてもよく表現されていたと思う。相変わらず香菜里屋の料理も魅力的だった。気になるのは、香菜里屋のマスターの工藤の秘密だ。「香菜里屋」の店の名前の由来は?工藤の思いとは?4作目を読むのが楽しみだ♪

ゆこりん : 15:05 | 作者別・・きたもりこう