« クドリャフカの順番(米澤穂信) | メイン | 火怨(高橋克彦) »

2008年4月21日

遠まわりする雛(米澤穂信)


女の子が着飾って「生き雛」となり、行列の先頭を歩き集落を巡る。千反田に頼まれ、その行列の手伝いをすることになった奉太郎だが、ちょっとしたトラブルに遭遇する。表題作を含む7編を収録。古典部シリーズ第4弾。

この作品は、入部から翌年春までの、古典部の部員たちが遭遇するちょっとしたミステリアスなできごとを描いている。謎解は相変わらず面白いが、古典部部員たちの描写もとても興味深かった。印象に残ったのは、「あきましておめでとう」と「手作りチョコレート事件」だ。「あきましておめでとう」では、奉太郎と千反田が納屋に閉じ込められてしまう。彼らはどういう方法でそこから出ようとするのか?その方法には思わず笑ってしまった。奉太郎と里志の厚い友情も垣間見えて、面白かった。「手作りチョコレート事件」では、消えたチョコの行方をめぐっての、里志と伊原の微妙な関係が見えてくる。この二人、どうなるのだろう?奉太郎と千反田の関係も気になる・・・。そして、今後の古典部は?次回作に大いに期待したい。

ゆこりん : 15:53 | 作者別・・よねざわほのぶ