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2008年4月13日

夜を守る(石田衣良)


息子を殺した犯人を捜し続ける老人と出会ったことがきっかけでチームを結成し、アメ横の治安を守ることになった4人組。窃盗団に、薬物中毒の男、消えたダンサーの行方・・・などなど。彼らのもとに持ち込まれる問題は種々様々だ。そしてついに、老人の息子殺しの犯人につながる手がかりが!

この作品を読むと、池袋ウエストゲートパークシリーズ(IWGP)と比較せずにはいられなくなる。同じ類の作品はどうしても比較されてしまう。比較すると、やはりIWGPの方が面白い。そういう意味では、不幸な作品なのかもしれない。登場する4人の個性はとてもよく描かれている。趣味も考え方も性格もまったく違う4人が発揮する見事なチームワークは、読んでいて楽しい。けれど、起こるできごとは新鮮味がなくいまいちという感じだった。ワクワク感や緊迫感、新鮮な驚きを読み手は求めているのだが、それが最後まで満たされず、読後もすっきりしないのが残念だった。

ゆこりん : 15:50 | 作者別・・いしだいら