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2008年4月11日

さくら(西加奈子)


父がいて、母がいて、子供たちがいて、そして犬のさくらがいる。平凡だけれど幸せな日々が、少しずつ指の間からこぼれていった・・・。ある家族に起こったせつないできごとを綴った作品。

結論から言うと、私には合わなかった。小説の世界には現実にはありえないことがたくさんある。そのことを充分認識して読んでも、何か違和感を感じずにはいられなかった。日常のさまざまな描写も、思いつくままにダラダラと書いた脈絡のない言葉の羅列としか思えない。とにかく無駄な描写が多すぎて、なめらかに読むことができなかった。家族の人物像の設定もまるでマンガの世界のようだ。読者を感動させようとする作者の気持ちは感じられるが、メリハリのない作品で読後感もいまいちだった。

ゆこりん : 16:54 | 作者別・・に