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2008年4月10日

愚者のエンドロール(米澤穂信)


文化祭のために作られていた自主映画が、脚本を書いていた少女が倒れたため中断してしまった。廃屋の密室で殺されていた少年・・・。映画はそこで終わっていた。これからの展開は?密室の謎は?犯人は?映画を完成させるため、奉太郎たち古典部の面々が立ち上がった。はたしてその結末は?古典部シリーズ第2弾。

事件が起こったまでしか作られていない映画。密室の謎も犯人も不明。しかも、脚本を書いていた少女からは何も聞き出せない。奉太郎たちはさまざまな人たちから聞いた話をもとに、結末を推理していく。自分も謎解きに参加しているようで、読んでいて楽しかった。起こった出来事を検分し、そこから何を判断し、どう推理するのか?しだいに明らかになっていく真相。構成力がとてもいい。読み手は、謎解きの醍醐味を存分に味わうことができる。そして、奉太郎の出した結論は・・・?最後の最後に待っていたものに、思わず「うーん。」とうなってしまった。思い返せば、伏線はきちんとあったのだ。ラストを読んで、作品の最初に書かれたことにも納得♪読後感もよく、満足できる作品だった。

ゆこりん : 15:58 | 作者別・・よねざわほのぶ