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2008年3月 5日

こころげそう(畠中恵)


幼なじみの9人。小さい頃は何の屈託もなく一緒に遊んでいたのだが、成長するに従いその関係に変化が・・・。彼らはこれからどうなるのか?幽霊あり(?)、恋あり、事件あり。江戸を舞台にした物語。

小さい頃は、自分の置かれている立場や環境、そして男女の違いなどは、遊ぶことには全く関係ない。だが成長するにつれ、様々なしがらみに悩まされるようになる。それは仕方のないことだけれど、切ないものだと思う。この作品に登場する9人も例外ではない。事件、友情、恋のもつれ、己の立場などなど・・・。悩みは多種多様だ。これらの複雑な絡み合いをどう解いていくのか?ハッピーエンドとはいかないが、彼らはそれぞれの進む道をしっかりと見定めていく。その過程は興味深かった。事件は起こるが、ミステリーというよりは恋物語という感じだ。欲を言えば、登場人物をもう少ししっかりと描き分けてほしかった。そうすればもっと読み応えのある作品になったと思うのだが。

ゆこりん : 14:36 | 作者別・・はたけなかめぐみ