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2008年2月29日

さよなら、そしてこんにちは(荻原浩)


葬儀社に勤める陽介は、数々の人の死を見てきた。そんな彼はもうすぐ父親になる。心の中で生まれてくる我が子と過ごす日々を想像しながら、彼はせっせと仕事に励むが・・・。表題作を含む7編を収録。

見回せばどこにでもいるような、そんな人たちの日常を描いている。登場人物の、生きることに一生懸命な姿が、読んでいて心にぐっとくる。一番印象に残ったのは表題作の「さよなら、そしてこんにちは」だ。人の死を生業としている男の妻が子供を産む。その「生」と「死」のコントラストがなんとも言えなかった。短いけれど、心に強く焼きつくような話だ。どの話も、ユーモアの中にちょっぴり切ない部分が含まれていて、そのバランスが絶妙だった。

ゆこりん : 15:38 | コメント (2) | 作者別・・おぎわらひろし


コメント

こんにちは。
この作品、私も最近読みました。
世のお父さん達は大変なんだね。って思わせられる^^;作品でした。
私は結構表題作が好きです。
笑い上戸の葬儀屋さん、良いですよね。

投稿者 苗坊 : 2008年3月 1日 11:43

>苗坊さん
こんにちは~。
ホント、お父さんは大変です。
表題作、いいですよね(*^o^*)
「スーパーマンの憂鬱」も面白かったです♪

投稿者 ゆこりん : 2008年3月 1日 15:51