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2008年2月21日
リピート(乾くるみ)
地震を正確に予告する一本の電話。電話をかけてきた風間という男は、今現在をすでにもう体験しているという。何度でも過去に戻って人生をやり直しできる「リピート」。風間の誘いに応じ「リピート」を体験した者たちの運命は?
ケン・グリムウッドの「リプレイ」とアガサ・クリスティ-の「そして誰もいなくなった」をあわせたような作品ということで期待して読んだが、正直どっちつかずの作品だと思った。この作品でも、リプレイした人間が次々に命を落としていくという衝撃的なことが起こるが、その真相は「こんなものか」と思った程度だった。タイトルは「リピート」だが、その意味「繰り返し」が作品の中であまり生かされていないような気がする。リピートした人たちのその後の描写も、特定の人物だけに限られていて物足りない。「リプレイ」、「そして誰もいなくなった」では、得られたこと感じたことも多々あったのだが・・・。読後、満足感がなかったのは残念!