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2008年1月11日

サニーサイドエッグ(荻原浩)


「猫を捜してほしいんです。」
若くてきれいな女性の依頼に俊平は燃える。だが、猫捜しの依頼はもう1件来た。その2匹のネコはかなり訳ありの感じだ。俊平は、若くて金髪で青い目(?)の秘書と猫捜しに奔走する。「ハードボイルド・エッグ」でおなじみの、探偵最上俊平が再び登場!

今回の猫捜しはかなり危ない仕事になっていく・・・。だが、軽い口調で語られるこの作品は、悲壮感や緊迫感などとはまったく無縁と言ってもいいくらいだ。「見つからなかったらやばいでしょ。」読み手がこう突っ込みたくなる。期限内での猫捜し。見つからなかったらどうなるのか?若い秘書には何か秘密が?時には笑いながら、時にはほんの少しハラハラしながら読んだ。「読み手を楽しませること。」このことに、これほど徹底した作品は珍しい。ラストもお見事!きちっと着地成功♪それにしても荻原さん、猫の生態に詳しい!!脱帽です(^^;

ゆこりん : 19:27 | 作者別・・おぎわらひろし