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2007年12月23日

三面記事小説(角田光代)


三面記事。淡々と事件の概要が語られるその裏には、どんなドラマが隠されているのだろうか?作者独自の視点で、実際の事件記事から紡いだ物語6編を収録。

結果的には同じような事件がいくつもある。だが、そこに至る過程は、ひとつとして同じものはない。活字になった事件の裏側に潜む生々しい現実。それはいったいどんなものなのだろう?興味を抱くのは作者ばかりではないと思う。この作品に収められている6つの事件はどれも現実に起こった事件で、そこに至るまでの実際の過程がある。だが、作者の作り出した事件までの過程も、「何でもあり」の現代社会において決して起こり得ないものではない。これからも似たような事件は起きるだろう。そこにはどんなドラマがあるのだろうか?そう考えると、背筋が寒くなってくるようだ。

ゆこりん : 16:12 | 作者別・・かくたみつよ