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2007年11月 2日
連鎖(真保裕一)
友人の竹脇が車ごと海に転落。警察は自殺と判断するが、羽川はどうしても納得できなかった。竹脇はいったい何を調べていたのか?彼の足跡をたどっていくうちに、放射能汚染食品の輸入という恐るべき事実が見えてきた・・・。
厳密な検査を受け、OKの出たものだけが輸入されている。誰もがそう信じていることだろう。だが、その信頼を根底から覆す恐るべき事実が!どんなに厳格なチェックにも必ず抜け道がある。それを巧みに利用した犯罪を描いたこの作品は、読んでいて驚きの連続だった。それぞれの利害関係、追う者と追われる者、緊迫した展開は読み手を飽きさせることはない。この作品を書くに当たっての、作者の緻密な下調べの努力も垣間見える。ラストも無難にまとめられていた。それにしても・・・世の中に絶対安全という食品があるのか?とても疑問に思えてくる。
ゆこりん : 16:08 | 作者別・・しんぽゆういち