« ちんぷんかん(畠中恵) | メイン | 天璋院篤姫(宮尾登美子) »

2007年10月 5日

あなたの呼吸が止まるまで(島本理生)


野宮朔は、小説家を夢見る12歳の女の子。ある日、舞踏家の父の仕事仲間佐倉から、思いもよらぬ形で心を傷つけられる。癒されない思いを抱いたままの朔。彼女が佐倉に対してとった行動とは?

本の帯の「突然の暴力」「復讐」の文字がとても印象に残っていた。どんな内容かと期待して読んだが、かなり期待はずれだった。帯に書かれている言葉は少しおおげさではないだろうか。たしかに朔の年頃の女の子にとっては衝撃的なことだったと思う。だが、復讐の手段についてはすごく疑問だ。はたしてそれが復讐になるのか?なんだかあまりにも幼稚過ぎる。内容にもう少し工夫がほしい。また、読み手をひきつける表現力がほしい。深みも厚みもない薄っぺらな作品という印象だ。ラストの詰めが甘いせいか、読後もあまりすっきりとはしなかった。

ゆこりん : 14:30 | コメント (4) | 作者別・・しまもとりお


コメント

こんばんは。ゆこりんさん。
TBとコメントありがとうございました。
揺れ動く繊細な少女の心を描く術として、性的な暴力を持ち出したという作者の安易さがたまらなく嫌でした。
後味が悪いですよね。

投稿者 ゆう : 2007年10月 5日 21:49

>ゆうさん
留守にしていたので返事がすっかり遅く
なってしまい、申し訳ありませんでした。
読んでいても気分があまりよくなかったです。
ホント、後味も悪かったです。
作者がどうしてこういう話を書いたのか・・・。
よく分かりません(^^;

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2007年10月11日 17:20

ゆこりんさん、こんにちは。
あぁ、やっぱり、ゆこりんさんの評価も低いんですね。
作品のテーマである「暴力」が描かれるまでがあまりに長く、
しかもその暴力の種類にも不快でした。
どうして島本理生さんが
こういうものを書かなければならなかったのか
私にはそこからギモンです。
残念だったな・・・。

投稿者 ともみ : 2008年4月28日 12:08

>ともみさん
こんにちは。コメント、ありがとうございます。
ともみさんのレビュー、拝見してきました。
同じような感じを抱いているのを知って、
何だかほっとしています。
不自然さ、幼稚さ、不快さ・・・そういうものが
あって、最後まで好きになることができない
作品でした。
もう少し、ストーリーをじっくり練ってから
書いてほしかった。そんな気がしました。

投稿者 ゆこりん : 2008年4月28日 14:31