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2007年8月20日
ダックスフントのワープ(藤原伊織)
スケートボードに乗ったダックスフントがワープしたところは、生きるのに過酷な砂漠だった・・・。
家庭教師の僕が語る物語は、10歳の少女マリの心に何をもたらしたのか?ダックスフントの物語を通して生きることへの意味を問いかける表題作を含む2編を収録。
誰だってたった一人で生きているわけではない。生きるということは、誰かを傷つけ続けることなのかもしれない。ダックスフントの物語を読んでいてそう感じた。きれいごとだけでは生きていけない。時には何かを犠牲にする覚悟も・・・。でも、常に前向きに生きていく心構えも必要だ。誰かのために生きなければならないと思うこともあるだろう。この作品では、本当にいろいろなことを考えさせられた。10歳の少女マリもきっとそうだったのだろう。幼い心で何を考え続けたのか?彼女の選択を知ったときは、胸が痛くなる思いだった。短編だけれど、ここに書かれていることは本当に深くて重いものがある。「ダックスフントのワープ」の物語。この話だけを抜き出して、絵本にできないだろうか?多くの子供たちに読ませたいと思った。
ゆこりん : 15:45 | 作者別・・ふじわらいおり