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2007年7月11日
カシオペアの丘で(重松清)
肺の影はやはり悪性だった・・・。自分の余命が残り少ないことを知った俊介は、遠い日に捨てたはずの故郷に戻ってきた。幼なじみとの再会は彼に何をもたらすのか?
「許す」ということがこの作品の大きなテーマになっている。どんなことがあったにせよ、相手を許すことができるのか?許されたい人、許したい人、それぞれの心の葛藤は続く。自分の運命を知った俊介、多くの人たちの運命を変えてしまった俊介の祖父、思いがけない事件で家族を失ってしまった川原・・・。それぞれの人たちの切ない胸のうちは、読んでいてつらい。
この作品の描き方は、「細やか」というよりくどく感じる。読んでいてうんざりしてくることが何度かあった。それに、いろんなことを詰め込みすぎているのではないだろうか。そのため、感情移入がしづらい作品になっている。「感動的に、最後はきれいにまとめよう」という作者の意図を露骨に感じるようで、抵抗もあった。
ゆこりん : 16:00 | コメント (4) | トラックバック (4) | 作者別・・しげまつきよし
このリストは、次のエントリーを参照しています: カシオペアの丘で(重松清):
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余命を告げられた病院の待合室で見たテレビに映った風景が、4人の幼なじみを30年ぶりの再会へと導いた。人と、町と、「ゆるし」をテーマに描く、感動の物語。 ... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年7月11日 21:42
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癌、殺人、不倫、死、秘めた過去の出... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年7月30日 22:25
» 星の降る里のおはなし。重松清『カシオペアの丘で』 from 乱読系。
重松清『カシオペアの丘で』講談社
ISBN-13: 978-4062140027
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(2007/... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年8月20日 00:27
» カシオペアの丘で(上)(下) from *precious memories*
肺の腫瘍は、やはり悪性だった―。
40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられたその日、俊介はテレビ画面に、いまは遊園地になったふるさとの丘を見つけ... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年8月31日 16:21
コメント
お久しぶりです。ゆこりんさん。
私も同じような感想でした。
くどすぎる設定に、感情移入がしづらかったです。
それと、「死」が奇麗ごとのように扱われていた感じがしました。
素直に感動できなかった自分にも、残念でなりません。
投稿者 ゆう : 2007年7月30日 22:29
ゆうさん、お久しぶりです。
旅行や息子の帰省などでパソコンが10日間ほど
できませんでした。返事が遅くなってすみません。
ゆうさんも同じように感じたんですね。
たくさんの方たちが絶賛しているので、批判的な
感想を書くのはちょっとつらかったのですが、
ほっとしました(笑)
投稿者 ゆこりん : 2007年8月 8日 15:58
こんにちわ^^はじめまして♪
TBさせていただきました(^o^)
くどい、詰め込みすぎ、きれいすぎる・・という点で
私の感想とすごく似ているかも・・と思いまして。。
同じように感じる方の感想を読むとほっとしてしまいますね〈笑)
絶賛している方と、私たちのように感じる方とわかれるようですが、
重松さんの作品だと思うと、ついつい期待しすぎて読んでしまうので、
評価も厳しくなるのかな~なんて思います。
それでは、またお邪魔させていただきます♪
投稿者 じゅりん : 2007年8月31日 16:30
>じゅりんさん
はじめまして。
コメントとTBをありがとうございました。
じゅりんさんの感想も拝見しました。
くどいしきれい過ぎるというのは共通の意見ですね♪
それに、生まれも育ちも北海道の私には
北海道の描写にも違和感を感じました。
演出しすぎでは?(^^;
多くの方が絶賛しているので、けなすのはちょっと
心苦しいですが(;^_^A
投稿者 ゆこりん : 2007年9月 3日 15:39