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2007年5月 1日

エンジェル(石田衣良)


気づいたら幽霊になっていた・・・。幽霊となった純一が最初に見たのは、殺されて埋められていく自分の姿だった。自分はなぜ殺されたのか?失った2年分の記憶を取り戻すために、彼は行動を開始した。

幽霊となった純一は、自分が殺された理由を調べるために行動を開始する。彼は、自由に空を飛べて、自由にあちこち行き来することができる。さらに、それぞれの幽霊には固有の能力があり、もちろん純一もある能力を持っている。うらやましい。読んでいて「幽霊も悪くないかも♪」と思ってしまう。人は自分勝手な生き物だ。自分の利益のためには、他人の命を顧みないところがある。純一が殺された理由が明らかになるにつれ、人間の醜い部分がたくさん見えてくる。誰を信じていいのか分からない、殺伐とした現代社会のひずみがそこにある。読んでいて暗澹たる気持ちになったが、ラストは無難にまとめられていたので読後感は悪くなかった。

ゆこりん : 20:11 | 作者別・・いしだいら