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2007年4月27日

十字屋敷のピエロ(東野圭吾)


建物の形から十字屋敷と呼ばれる竹宮家。ピエロの人形が飾られたその日、悲劇が起こる。バルコニーから飛び降りて死んだ竹宮頼子は本当に自殺だったのか?その時ピエロの人形は何を見たのか?その後起きる殺人事件の犯人は?

十字屋敷で殺人事件が起きる。犯行がどのように行われたか、その一部始終を知っているのは犯人と被害者の2人だけ。普通のミステリーならこういう感じだが、この作品は犯行のすべてを見ていたピエロの人形を語り手として登場させるという、驚くべき方法をとっている。そしてそのことによって作品に、より立体感を与えている。殺人のトリックも、全然予想できない意外な方法だった。竹宮家の人たちの確執も、この作品をより面白くしている。最後に、頼子の娘佳織がつぶやいた一言が衝撃的で、いつまでも余韻が残った。

ゆこりん : 21:21 | 作者別・・ひがしのけいご