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2007年3月17日

いつもの寄り道(赤川次郎)


青森の温泉街の旅館の火事で夫が死亡!しかも女性連れだった。大阪に出張のはずだったのになぜ夫は青森に?会社の同僚だった宮田はなぜ夫の手帳の行方を執拗に尋ねるのか?新婚1年目で未亡人になってしまった加奈子にも、危険が迫る・・・。

夫が女性とともに焼死。殺人事件も起こる。だが、作者の描き方のせいか事態の深刻さがそれほど伝わってこない。加奈子の様子にも切迫感や緊迫感が感じられない。サラサラと表面だけをなでるように、物語が進んでいく。何も考えずに本を読みたい時にはこういう作品もいいと思うが、じっくりと内容を味わって読みたい時には全然物足りない。単なる娯楽作品で、軽いノリの2時間もののサスペンスドラマを見ているような感覚だった。それなりには楽しめたが。

ゆこりん : 14:58 | 作者別・・あ他