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2007年3月12日

波のうえの魔術師(石田衣良)


ターゲットはまつば銀行。詐欺まがいの手口でまつば銀行にお金をだまし取られた被害者の恨みを背に、小塚老人と白戸は巨大銀行に罠を仕掛ける。はたして結末は?

毎日毎日株価の3桁の数字をながめ続ける。その作業から巨大銀行を陥れる罠を仕掛ける。いつどんなタイミングで?その息詰まるような緊迫した描写は読んでいてもハラハラする。真正面からぶつかっても決して崩れない相手。その相手に対して、株価を操作するという頭脳作戦は、株を知り尽くした作者ならではの発想だ。軽快な文章でテンポもよく、株の世界も垣間見えて、とても興味深く読んだ。ただ、もう少し株の知識があったならもっとこの作品を楽しめたのではないかと思う。

ゆこりん : 18:20 | 作者別・・いしだいら