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2007年3月 2日
月の扉(石持浅海)
不当逮捕された師匠をある目的のため外に連れ出そうと、真壁、柿崎、村上の3人は那覇空港で飛行機をハイジャックする。だが、その機内で乗客の一人が殺された!ハイジャック事件と密室殺人の謎解きがミックスされた異色の作品。
ハイジャックされた機内で殺人事件が起こるという、今までに読んだことのない作品だった。ハイジャックの目的は達成されるのか?そして殺人事件の犯人は?読み手を飽きさせることなくラストまで引っぱっていく。ハイジャックの鮮やかな手際のよさや、殺人事件を推理する座間味くんのキャラクターが面白かった。ただ、師匠がカリスマ的存在であるということの説得力が弱いのではないかと思った。3人がハイジャックという大きな事件を起こしてまで師匠を連れ出そうとする目的も、非現実的過ぎないだろうか?結末も、途中の盛り上がりに比べたらちょっと物足りなかった。