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2007年2月 6日
失われた町(三崎亜記)
30年に一度起こると言われている町の消滅。町から全ての人が失われる!残された人たちは、失われた人たちの思いをどう受け止めるべきなのか?また、町の消滅を食い止める方法は?
普通に生活していることを断ち切られる。自分がいなくなるということを自覚していても逃れられない・・・。町から全ての人がいなくなるというその光景を想像したとき、あまりの恐ろしさに身震いする。「意思を持つ町」。町は何のために人を消滅させるのか?残された人たちが悲しみを乗り越え消滅を阻止しようとする姿には、胸が熱くなる。はたして食い止めることができるのか?「早く先が読みたい!」そう思い、ページをめくるのももどかしく感じるほどだった。人が人の思いを伝え続けていく限り、消滅を食い止められる可能性は充分にある。「望みはきっと誰かが繋げてくれると思います」この言葉が印象的だった。