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2007年1月24日

告白(町田康)


彼はなぜ10人もの人を殺したのか?明治26年5月25日、熊太郎は弥五郎と共に、松永傳次郎宅などを襲った!被害者の中には幼い子供も含まれていた・・・。実際にあった事件を、作者独自の視点で描いた作品。

熊太郎は、実際はどんな人物であったのだろう?作者は熊太郎を、心の中の思いと言葉が一致しない人間として描いている。このことが彼自身を自ら追い詰めていくことになるのだが。熊太郎の生い立ち、そして大事件への軌跡。それらはとても興味深いものだったが、ちょっと長すぎるような気がする。熊太郎の心情を描いた部分も、だらだらとしている。作者はこんな事件を起こした熊太郎という人物をどういうふうに思っているのか?そのことが全然伝わってこない。単に面白おかしく書かれたもの・・・ただそれだけの印象だった。

ゆこりん : 18:11 | 作者別・・ま他