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2007年1月18日
庭の桜、隣の犬(角田光代)
「おれ、部屋を借りようと思うんだ。」宗二の言葉に思わず「はあー!」と大声を出した房子。夫は何のためにそう言い出したのか?夫婦とはいったい何なのかを、やわらかなタッチで描いた作品。
同じ屋根の下に住んでいても、お互い理解できない部分もある。夫婦だから互いのすべてを知っているとは限らない。この作品を読んでつくづくそう感じた。それは許される範囲なのか?はたまた許せない範囲なのか?私は、宗二の部屋を借りた理由が何となく理解できる気がした。一人になって自分を見つめたいときもあるのだ。また同時に、房子の気持ちも分かる気がする。この二人、いろいろあるけれど結局はずっと夫婦でいるのだろう。怒ったり、笑ったり、泣いたり、悩んだりしながら、人は生きていく。夫婦でいることの意味は、もっとずっと後になってから分かることなのかもしれないけれど、夫婦でいることのよさをちょっぴり感じさせてくれる作品だった。
ゆこりん : 18:40 | コメント (2) | トラックバック (1) | 作者別・・かくたみつよ
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36歳、子なし主婦房子とイベント企画会社で働くサラリーマン宗二の、
ちょっと不思議な夫婦と、彼らを取り巻く人々の日... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年1月20日 01:51
コメント
こんばんは。
結婚は未経験なのでなんともいえないのですが、
この小説には結婚のリアルを感じました。
角田さんはリアルというか、日常の積み重ねみたいなものを
実にうまく描くなぁと、いつも感心してしまいます。
投稿者 Rutile : 2007年1月20日 01:51
>Rutileさん
こんにちは。
私は結婚歴うん十年(笑)ですが、やはりリアルさを
感じました。夫婦ってこういうものじゃないのかと
妙に納得してみたり・・・(^^;
面白かったですね(*^o^*)
投稿者 ゆこりん : 2007年1月20日 16:31