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2006年12月10日

ひかりをすくう(橋本紡)


仕事にがんばりすぎた智子はパニック障害になってしまう。一緒に暮らす哲ちゃんと二人、仕事を辞めて都会を離れることにした。智子の心は少しずつ癒されていくが・・・。

がんばりすぎることに気づかないまま自分を追い詰めてしまうことがある。そんなとき、こんなふうに自分を解放することができればいいなと思う。自然体で生活したいと思っていても、なかなか実現することは難しい。智子と哲ちゃんの生活は、読んでいると緊張感が取れ、どこかほっとする気持ちになる。智子が手のひらで光をすくうシーンと、小さな草を見て「こんな小さなものにも、光はちゃんと宿るのだ。」と思うシーンが印象的だった。何気ない日常を描いた作品だが、ほのぼのとしたものを感じた。

ゆこりん : 17:24 | 作者別・・は他