« 145gの孤独(伊岡瞬) | メイン | ひかりをすくう(橋本紡) »

2006年12月 6日

ひまわり探偵局(濱岡稔)


一投資家から身を起こし、兜町の狼とまで言われた風雲児加賀美喬生。彼の死後見つかったメモに書かれたメッセージは何を意味するのか?ひまわり探偵局の探偵陽向万象(ひなたまんぞう)の推理が光る!「伝言ーさよなら風雲児」など、4編を収録。

すべてが、考え抜かれた緻密な謎解きで構成されている。特に「伝言ーさよなら風雲児」は、その緻密さに驚かされる。かなりの知識がなければこれほどまで書けないだろう。逆に言うと、読み手にもそれ相応の知識が必要とされる。ちょっと凝りすぎではないかと感じる部分もあったが・・・。ここに収められているどの話にも、作者の優しさが感じられる。決して戻らぬ過去の日々。届かぬ思い。涙する人たちに向けられた作者の温かなまなざしが、読み手にも伝わってくる。心がほんわかしてくる作品だった。

ゆこりん : 17:46 | 作者別・・は他