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2006年11月24日

海(小川洋子)


結婚のあいさつに行った泉さんの実家には、両親と90歳の祖母と10歳下の小さな(?)弟が住んでいた。夜弟の部屋で、僕と弟が語ったことは?表題作を含む7編を収録。

「海」はとても不思議な話だった。ざらざらした手で心を逆なでされるようなざわざわした感触を味わった。僕が泉さんの実家で体験したことや、僕と弟の会話。何気ないといえば何気ないことなのだろうが、読んでいて引き込まれていった。鳴鱗琴の音色はどんな音色なのか?
また、特に印象に残ったのは「ひよこトラック」だった。言葉を介さない男と少女の触れ合いが細やかに描かれている。「命」に対する作者の思いも垣間見えるし、ラストのまとめ方もとてもよかった。
どの話にも深みがあり、行間にさまざまなことが隠されているようで面白かった。

ゆこりん : 14:18 | 作者別・・おがわようこ