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2006年10月22日

芥子の花 金春屋ゴメス(西條奈加)


上質の阿片が江戸国から日本へ、そして海外へ。老中は南北奉行、そして長崎奉行に探索を命じた。長崎奉行のゴメスこと馬込播磨守寿々は、異人の村麻衣椰村が怪しいと目をつけるが・・・。

ご存知「金春屋ゴメス」。今回は阿片をめぐる物語。一善飯屋「金春屋」の裏手に、通称「裏金春」と呼ばれる長崎奉行所出張所があり、ゴメスや配下の者たちが起居しているという設定は前作と同じだ。またおなじみの人たちに会えた。今回も悪に完全と立ち向かうゴメス。このキャラクターは、笑える。ドタバタなところもあるが、悪の手先になることを拒み命を落とした者や、幸薄い女性などが登場して、ホロリとしたところもあった。さてさて、ラストにはまだ悪の存在のにおいが・・・。ゴメスの活躍はまだまだ続きそうだ。次回作にも期待したい。この作品を読む前に、1作目の「金春屋ゴメス」を読むことをぜひおすすめしたい。

ゆこりん : 16:14 | 作者別・・さ他