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2006年8月31日
押入れのちよ(荻原浩)
失業中の恵太が借りたマンションは格安だった。だが、そのマンションにはひとつだけ欠点があった。押入れには幽霊が住んでいた・・・。表題作を含む9編を収録。
どの話も不思議でちょっと怖い。だが、そのなかには切なさも含まれている。特に印象に残ったのは表題作の「押入れのちよ」そして「木下闇」「しんちゃんの自転車」だ。幼くしてこの世を去らなければならなかった者の哀しさがよく描かれている。夫婦の心の中を描いた「殺意のレシピ」は別の意味で怖かった。本当に怖いのは幽霊?それとも人の心?後者かもしれない・・・。
ゆこりん : 19:53 | 作者別・・おぎわらひろし