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2006年8月17日
初ものがたり(宮部みゆき)
季節季節の初ものを取り上げ、それにまつわる事件を人情味豊かに描いた、捕物作品。
江戸本所深川を舞台に、さまざまな季節にさまざまな事件が起こる。岡っ引きの茂七、下っ引の糸吉と権三がそれらの事件に立ち向かう。事件を起こした側にも悲しい事情がある。茂七はただ下手人を捕まえるだけではなく、その悲しい事情を思いやることも忘れない。そこのところが読み手の心をほのぼのとさせる。江戸の庶民の生活も生き生きと描かれていて、楽しめる作品だった。
ゆこりん : 17:39 | 作者別・・みやべみゆき