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2006年6月26日

一夢庵風流記(隆慶一郎)


異風の姿形を好み、異様な振る舞いで人を驚かすことを「傾く(かぶく)」という。人々から「かぶき者」と呼ばれた前田慶次郎の、痛快な生涯を描いた作品。

前田慶次郎は、前田利家の兄前田利久の養子だった。本来なら前田家の家督を相続するはずであったが、利家が兄に代わり家督を相続したために、運命は大きく変わった。そのため前田利家との確執はあったけれど、慶次郎の人柄は周りの人たちをひきつける魅力があり、多くの者に慕われていた。大きな歴史のうねりの中、前田慶次郎の名前を知る人は少ないのではないかと思う。だが、彼の果たした役割は、歴史のところどころできらりと光っている。作者も決してそれを見逃さなかった。読んでいてとにかく面白かった。世の中にこんな男がいたのかと驚きもした。歴史好きな私には、読み応えがあり満足できる作品だった。

ゆこりん : 16:29 | コメント (5) | 作者別・・り


コメント

はじめまして、こんにちは。
読ませていただいて、何年か前、大河ドラマで前田利家の話をやっていた時に、確かちょっとだけ、前田慶次郎が出てきたのを思い出しました。見ていたときは、凄く複雑な立場だなぁ、と思ったくらいだったのですが(主役はやっぱり利家でしたので)、この本は面白そうで、興味を持てました。今読んでる本が終わったら、是非探してみたいです。

投稿者 めあり : 2006年6月27日 18:11

ご無沙汰です。
隆慶一郎さんの作品の主人公は皆カッコイイ、そして人情味溢れるキャラクターですね。
僕は最初、漫画「花の慶次」を読んでその後、原作を読んで惚れちゃいました(笑)
漫画は「北斗の拳」の原哲夫さん。他の作品と比べると涼やかな絵が印象的でした。
隆慶一郎全集は全巻持ってたりします。
また隆ワールドに浸りたくなってきました。

投稿者 ざっきぃ : 2006年6月29日 21:13

>めありさん
初めまして。コメントをありがとうございます。
私も他の方が読んで感想を書いているのを見て
興味を持ったんです。ドラマのほうはそうでは
ないけれど、実際には前田利家との間にはいろいろ
あったみたいです。そのへんも興味深く読みました。
ぜひ、読んでみてください(*^▽^*)

>ざっきぃさん
お久しぶりです。最近は読むペースが落ちて、なかなか
更新できません(^^;
漫画「花の慶次」は読まれたんですね。私は存在は
知っているのだけれど読んだことがないんです。
「影武者徳川家康」は、漫画も原作も読みました(*^▽^*)

  ~隆慶一郎全集は全巻持ってたりします。~
すごいですね~。確か遅咲きの作家さんだと聞いていますが。
それほど作品を残さないで亡くなられたとか・・・。
残念ですよね(TT)

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年6月30日 15:22

読みました。単純な感想で申し訳ないのですが、面白かったです。
何となく戦国の武将、というと『一国一城の主』を思い浮かべがちですが、この作品の前田慶次郎はそういう先入観を吹き飛ばすかっこよさがありました。彼の夢について、作者がただ単純に『一国一城の主』と捕らえなかった、その深みが作ったいい本でした。こちらで興味を覚えて、読むことができて嬉しい本です。

投稿者 めあり : 2006年8月 6日 14:08

>めありさん
引越しで、すっかり返事が遅くなりました。
ごめんなさい(o*。_。)oペコッ
面白かったという感想、とてもうれしいです。
かっこいいですよね♪
あの時代にこういう生き方をした人物がいたかと
思うとちょっと驚きでした(*^▽^*)

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年8月28日 18:39