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2006年3月 6日

凍(沢木耕太郎)


難関と言われたヒマラヤの高峰「ギャチュンカン」。この峰に、山野井夫妻が挑戦した。過酷な状況で二人はいかにして登頂したのか?壮絶な記録。

おそらくフィクションでもここまでは書けないだろう。そう思わせるほどの過酷な状況だった。おのれの肉体だけでなく精神の限界さえも超え、登り続けた二人。いったい彼らをここまで駆り立てるものは何なのだろう。凍傷で手や足の指を何本失っても、二人の山への情熱は消えない。山と人間。登られるものと登るもの。研ぎ澄まされたやいばのような緊迫感が、読み手にも伝わってくる。まさに「凍」の世界。圧倒されそうな作品だった。

ゆこりん : 14:57 | コメント (5) | トラックバック (4) | 作者別・・さ他

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コメント

ゆこりんさん、お久しぶりです。こんばんは♪

久しぶりの沢木さんのノンフィクション、しかも登山ものという事で、普段は文庫派の私もこの本はスグに単行本を買って読みました(^^)
ラスト近くの山野井夫妻の姿には本当に人間の精神と肉体には限界はないのかもしれないと思ってしまうほどでした。
特に同じ女性である妙子さんは色々な面で自分には真似できないと思いました。

マイレコ!の方にもTBさせて頂きました(*^_^*)ノ

投稿者 みらくる : 2006年3月 9日 21:15

>みらくるさん
おはようございます。
すごい本でした。人間はここまでできるのか!と
驚くばかりです。
あきらめない気持ちが、人間に限界以上の力を
出させるんですね。
私もTBさせてくださいね~。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年3月10日 10:26

ゆこりんさんのこの記事を見て「読んでみたい!」と思い、図書館で予約待ちしている間にすっかりどんな本なのか忘れてしまっていて、最後の方まで実際にあった話なのだということに気がつかずに読み進めてしまいました!
やけにリアルだなぁ~なんて思いながら…(笑)
前半のプロジェクトXっぽい雰囲気の部分は説明が多くて飽きてしまいましたが、後半、凍傷になりかかってきたあたりから一気読みでした!

投稿者 とまと : 2006年7月 7日 17:45

ゆこりんさん、こんにちは。
実は、以前ゆこりんさんのこの記事を見て、ずっと気になってたんですよね。
で、やっと夕べ読了しました。
半分以上残ってたのに、寝る前にちょっと、と思ったらやめられなくて。寝不足です。
かなり壮絶な内容ですが、それ以上に本人たちの強さが印象に残る作品でした。

投稿者 ブラッド : 2006年7月 8日 17:59

>とまとさん
このご夫婦が車椅子で帰国したニュースを見たことが
あるんです。手足の指を失ってまでも山に登ることが
私には理解できませんでした(^^;
でも、この本を読んで少しは理解できる気がしました。

>ブラッドさん
こんばんは♪ノンフィクションはやはり迫力があります。
この夫婦の山に挑む姿は感動的・・というより怖い
くらいでした。命がけですよね。
登る勇気と同じくらい、断念する勇気がりっぱでした。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年7月12日 00:00