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2006年2月15日

関東大震災(吉村昭)


1923年(大正12年)9月1日、関東地方に大地震が起こった。死者の数は20万人。地震はどのように起こったのか?また、地震による火災の恐ろしさはどれほどであったのか?克明に綴った作品。

地震による直接の被害もさることながら、その後に起こった火災が犠牲者の数をかなり増やしてしまった。逃げ場を失い焼死する人たちの姿は無残としか言いようがない。また、地震直後に起こった噂や風潮は人々をますます混乱させていく。人間の集団心理というものの恐ろしさをまざまざと見せつけられた。地震直後、正確な情報の必要性が強く感じられる。地震はいつ起こるか分からない。大地震が起こったとき、はたしてうまく対処できるのか?80数年前の関東大震災、そして近年起こった阪神大震災。そこから学ぶべきことが、まだまだたくさんあるような気がした。

ゆこりん : 15:58 | 作者別・・よしむらあきら