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2006年2月 6日

金春屋ゴメス(西條奈加)


日本の中に独立国家として存在する江戸。5歳の時一度江戸を離れた辰次郎は、15年後格別のはからいで再び江戸へ。金春屋のゴメスは辰次郎に、鬼赤痢の正体を暴けと命じるが・・・。

15年前、鬼赤痢にかかった子供の中で助かったのは、辰次郎ひとりだけだった。なぜ辰次郎は助かったのか?すべては辰次郎の記憶にかかっている。鬼赤痢の正体、そして治療方法。それがこの作品の鍵になっているのだが、分かってしまえばそれほどの驚きはない。むしろ平凡。だが、日本の中に江戸が独立した国として存在するという発想は面白かった。まさに古きよき時代の象徴。そこに生息する(?)ゴメスは、ちょっと漫画的すぎる気もした。タイトルが生かされていないのでは?

ゆこりん : 19:39 | 作者別・・さ他