« 東京物語(奥田英朗) | メイン | 金春屋ゴメス(西條奈加) »

2006年2月 3日

その日のまえに(重松清)


あたりまえの日常があたりまえでなくなる日・・・。愛する人との別れの日は確実に近づいてくる。人間の生と死を、温かな目で見つめ描いた作品。

生と死、出会いと別れ。この相反するものの持つ悲しさ。いつかは来る。その日が。私たちはそれまで何ができるのだろう?この作品は静かに問いかけてくる。たくさんの人の中から、なぜ自分が?なぜ愛する家族が?そのことに答えてくれる者は誰もいない。その厳しく悲しい現実が、読んでいる私に何度も本を閉じさせようとした。そして、自分自身にも来る「その日」・・・。その事実が重く暗くのしかかってくる。あまりにもつらい話ばかりだった。

ゆこりん : 20:15 | コメント (6) | トラックバック (1) | 作者別・・しげまつきよし

このリストは、次のエントリーを参照しています: その日のまえに(重松清):

トラックバック

» 32 その日のまえに(重松清)文藝春秋 ★★★★★ from つんどくの日々
<永遠なんてどこにもない。死を題材に生を問う。落涙必至の傑作> 何気ない日常から、ある日突然、愛する人を失う人たちはどうするか。誰でも訪れる... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年4月22日 21:24


コメント

ゆこりんさん、こんばんは。
私も最近読んだばかりです。
「その日」は誰にでもやってくる。遺される者、そして逝かなければならない者のどちらの立場も辛く哀しい。
静かに淡々と過ぎていく時間がなんだかいとおしくもあり哀しかったです…。

投稿者 かっちゃん : 2006年2月14日 23:32

>かっちゃん
こんにちは~♪
悲しくてつらい作品でした。避けては通れないこと
なんだけれど、目をそむけたくなる自分がいました(^^;

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年2月15日 16:06

こんにちは!
作品読了しました。
 とても、静かな気持ちでいっぱいです。
最近、なかなか...こう言う作品がなくて困ったものだ!
でしたが、しばらく重松作品を読んでみます。
 ところで、せっかく「おすすめ」を掲示板へ頂いたのに...
残念です。(今日も、へんな書き込みがあったので...こちらで
書かせて頂きました。)
 もし、よかったら...もう一度!重松作品のお奨め本の紹介を!!!
切に願ってやみません(^^;
東京の八重洲に、八重洲ブックセンターと言う書店があって...ここのブックカバーがとても綺麗なんですよ!
今作品もここで買いました。
 さてさて、もうひとつ...
「辻内智貴さん」てご存知ですか?
この方の、「ラストシネマ」「セイジ」...ちょろっと懐かしくて、いい物語ですよ!特に「セイジ」は私の好きな作品のひとつで...重松清さん、本田孝好さん(FINE DAYSの「シエード」が良かったです)が好きな方は良いと思います。

投稿者 猫のフウチャン : 2006年4月 1日 06:43

>猫のフウチャンさん
私は静かな気持ちというより、なんだかつらくて。
重松作品には泣かされます(TT)
掲示板、変えたのだけれどまたおかしな書き込みが
ありましたね。削除しました。
ブログのコメントは作品関係のあるもの、そうでない
話題は掲示板、というふうにお願いしているのだけれど、
掲示板がこれじゃダメですね・・・。
気づいたらこまめに削除します(^^;
重松作品、「卒業」「いとしのヒナゴン」「流星ワゴン」
「日曜日の夕刊」などがオススメです。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年4月 1日 17:11

ありがとうございました!(今夜も酔ってます!不謹慎で申し訳ありません...)
本当のこと言うと...電車の中で人目も憚らず、溢れる泪をぬぐいながら目を真っ赤にして読みました。
ゆこりんさんも...若くして...お父上が亡られたようですね!
 私も、18の時に父が亡くなりました。。。心筋梗塞であっというまでした。。。
世の中の不幸をまとめて背負ったような父の人生でした。
大切な人が亡くなるのはとても辛いものです。
 だから...でもないのですが...この小説の登場人物は...
不謹慎を承知で申し上げるなら...見方を変えるなら...とても
幸せな...「その日では...」なっかたでしょうか?
 ...すみません!今日は悪酔いかな~~~...でもね...やっぱり...つらいけど...読了後...静かな気持ちでした。。。
 この本は...少しでも多くの方に読んでもらいたいです。
また...親切にオススメ本を再紹介頂きましたこと...深謝申し上げます。
猫でした。。。

投稿者 猫のフウチャン : 2006年4月 2日 21:49

>猫のフウチャンさん
お父様が突然亡くなられたんですか!
私と同じだ~。
私の父はやはり「その日のまえに」などと考える
余裕もなく逝ってしまいました。
いや、こういうことはあまり考えずに逝けたら
そのほうが幸せかも。そんな気がします。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年4月 3日 09:19