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2006年1月19日

柔らかな頰(桐野夏生)


「捨てたはずの北海道なのに・・・。」カスミは石山に誘われて、支笏湖畔の別荘にやってきた。そして、お互いの家族の目を盗み、石山との逢引を重ねる。そんな中、カスミの娘有香が行方不明に!何年も有香を探し続けるカスミの前に、ガンで余命いくばくもない元警察官の内海が現れた。

カスミの探しているものはいったい何だったのだろう?本当に娘の有香だったのか?本当に捜し求めているものは、案外自分の心の内にあるのかもしれない。あれほど嫌っていた北海道。そして両親。だが、最後にカスミがたどり着いたのは嫌っていた場所だった。母の生きざまや内海の命が消えゆくさまは、カスミの生き方を変えようとする。開き直りなのか?再生なのか?それはカスミ自身にも分からないような気がした。

ゆこりん : 19:56 | コメント (2) | トラックバック (1) | 作者別・・き他

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» 「柔らかな頬」(桐野夏生著) from たりぃの読書三昧な日々
 今回は 「柔らかな頬」 桐野 夏生著 です。この本は第121回直木賞受賞作ですね。 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年1月22日 20:22


コメント

ゆこりんさん、こんにちは。
桐野夏生さんの本って、好きじゃないって頭では思うのですが、ずっと心に残る不思議な印象を受けます。
といってもまだ3冊しか読んでいないのですが。
この本で印象的だったのは、たしか、、最後のあたりで内海がカスミの後姿を見たとき、カスミの背中のブラのくいこみを見たときカスミの健康な身体を実感する、というようなシーンがあったと思うのですが、すごくリアルなかんじがする上手い表現だなあと思いました。
ずっと以前に読んで記憶もさだかではないのに、こんな変なシーンだけ覚えていることをとっても強烈な印象を残す作家ですよね。

投稿者 エンジュ : 2006年1月20日 14:40

>エンジュさん
こんにちは。何気ないしぐさの描写なのに、どきっと
する部分ありますよね。さすがに作家の目は鋭いです。
私は桐野さんの作品、6冊かな?
まだまだ読んでみたいと思っています(*^▽^*)

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2006年1月20日 15:40