« 「教えて!何点?」に参加しませんか? | メイン | 脳男(首藤瓜於) »

2005年9月20日

あやし(宮部みゆき)


他の人に見えないものが見える!怨念が凝り固まったら?人の穢れが集まれば?人の不幸を願ったら?日常の中に潜む、不思議で怖い出来事を描いた9編を収録。

どの話も読んでいて背筋がゾクッとする。あからさまに幽霊などが出てくる話ばかりではない。だが怖い。「居眠り心中」「布団部屋」「女の首」では、人の怨念の怖ろしさを感じた。また、「梅の雨降る」「時雨鬼」では、心の中に潜む鬼の存在が怖ろしかった。どんな人でも人を怨むことはあるだろうし、心の中に鬼がいるのだろう。だが、それに負けてはいけない。人は、常に自分の心と戦っていかなくてはならないのだと思う。不思議で、怖くて、そしてちょっぴり切ない作品だった。

ゆこりん : 20:40 | 作者別・・みやべみゆき