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2005年7月29日

ピンク・バス(角田光代)


妊娠を喜んでいたサエコだが、夫タクジの姉実夏子が突然訪ねてきた時から家の中は微妙に変化し始める。そのまま居ついてしまった実夏子に、サエコは苛立ちを覚え始めるが・・・。表題作を含む2編を収録。

妊娠を気味が悪いという実夏子。家の中にいても何もしない実夏子。サエコの苛立ちや、妊娠による疲労感の描写は、読む側にもイライラやけだるさをもたらす。だらだらとただ流れていく時間。何をするでもないサエコたちの日常は読んでいて苦痛さえ感じた。「ピンク・バス」で作者は何を言いたかったのか?
もうひとつの作品「昨夜はたくさん夢を見た」も退屈な作品だった。どうでもいい日常のひとコマを無理やり見せられている感じがした。

ゆこりん : 14:47 | 作者別・・かくたみつよ