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2005年7月27日

蒼龍(山本一力)


借金で苦しくなった暮らし。少しでも早く返済したいと思う弦太郎の目に飛び込んできたのは、瀬戸物屋の大店岩間屋の貼り紙だった。「茶碗・湯飲みの対の新柄求む。」うまくいけば借金が返せる!弦太郎はその日からさっそく取りかかるが・・・。表題作を含む5編を収録。

江戸深川の人情、大店であるがゆえの苦労、武家社会の理不尽さなど、山本一力の得意とする分野の作品が詰め込まれている。時代物ではあるけれど、人と人とのつき合い、親子の情、友情、お客を大切にする心など、どれも現代にも通じるものばかりだ。読んでいてはっとさせられることが何度もあった。助けられたり助けたり。人と人とのいい関係がそこにはある。物質的には貧しくとも、心豊かな日々の暮らしはうらやましい。表題作「蒼龍」は、作者の当時の境遇を投影した作品ということで特に印象に残ったが、どの作品もとても読み心地がよかった。

ゆこりん : 14:15 | コメント (2) | トラックバック (1) | 作者別・・やまもといちりき

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今年は時代小説に目覚めて、宮部みゆきと山本一力を片っ端から読んでいる。職場の昼休憩に文庫を読むのがすっかり日課になってしまった。今日読み終えたのは『蒼龍』山本一... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年8月10日 21:46


コメント

はじめまして、”ざっきぃ”と申します。
いつも本選びや書評を参考にさせてもらっています。
この度初めてブログを立ち上げて、「蒼龍」について書いたのでTBさせて頂きました。
ゆこりんさんのように上手く書けるようになりたいなぁ。

投稿者 ざっきぃ : 2005年8月10日 21:54

ざっきぃさん、初めまして。
参考になるような書評かどうかはとても疑問ですが(^^;
でもとてもうれしいです。ありがとうございます。
なるべく短くまとめるように心がけています。
でないと、ダラダラやたらに長くなりそうで・・・。
山本さんの本、私もいろいろ読んでいるところです。
いいですよね~♪

投稿者 ゆこリん : 2005年8月10日 23:28