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2005年7月13日
世界中が雨だったら(市川拓司)
愛してほしい人に愛されず、学校ではいじめられてばかり。「雨が降ったら軒下に逃れればいい。」の言葉に、「でも、世界中が雨だったら?」そんなことを言っていた少年は、つらい現実から背を向けた!表題作を含む3つの作品を収録。
愛というものを知らない少女。愛されることを望む少年。女性をどう愛すればいいのか分からない青年。そこに描かれているのはゆがんでしまった愛だった。どちらを向いても出口が見えず、閉塞した世界の中にいるような息苦しさを感じる。どこにも救いを見出せない。作者の描く世界はいつも独特の雰囲気を持っている。だがその世界は頼りなく、ふわふわと漂っている。そこからつかみ取れるものはない。読後、物足りなさだけが残った。
ゆこりん : 21:06 | コメント (4) | トラックバック (3) | 作者別・・いちかわたくじ
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» 世界中が雨だったら(市川拓司) from 木陰のベンチ
世界中が雨だったら
市川 拓司
当たり前と言ったら当たり前なのかもしれないけど、市川さんの作品もどんどん雰囲気が変わっていくなぁと、前回「弘海」... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年10月 8日 14:48
» 「世界中が雨だったら」/市川拓司 from 気まぐれ日記
この方の本は初めて読んだ。 [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年10月14日 02:08
» [本]市川拓司「世界中が雨だったら」 from Four Seasons
世界中が雨だったら
市川 拓司 / 新潮社「琥珀の中に」「世界中が雨だったら」「循環不安」の3編を収録。
「いま、会いにゆきます」(実は未読・・・... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年4月12日 20:33
コメント
はじめまして!
TBさせていただきます☆
投稿者 サニー : 2005年10月14日 02:07
初めまして♪
この本、私にはちょっと合いませんでした(^^;
市川さんの本はどちらかというと苦手部類です。
投稿者 ゆこりん : 2005年10月14日 16:34
ゆこりんさんも苦手でしたか・・・
わたしもこの本(特に「循環不安」)はちょっと・・・
市川さんの作品初読みがこれだったので、次は純愛系を読みたいです。
投稿者 tamayuraxx : 2006年4月12日 20:54
>tamayuraxxさん
やはり苦手だったのですか!
ナカマ♪((o(*^∇^)X(^∇^*)o)) ナカマ♪
この本だけに限らず、市川さんの本はどうも
合わないものが多いです。言葉だけに頼った
作品という感じがします。もっと中身のあるものを
期待したいです。
投稿者 ゆこりん : 2006年4月13日 15:55