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2005年7月 9日

灰色の北壁(真保裕一)


「二十世紀の課題のひとつ」と言われ続けたカスール・ベーラの北壁。そこをたったひとりで、しかも驚くほど短時間で制覇した男がいた。だが、ある疑惑が生じる。発端となった記事に隠された真実とは?表題作を含む3つの作品を収録。

「なぜ山に登る?」「そこに山があるから」これは有名な言葉だが、この作品を読むと、まさにその言葉どおりの世界が広がっていた。自然の大きさから比べると、人間は本当にちっぽけな存在でしかない。だが、人はその雄大な自然の一部でもある。人は山に登ることでそのことを感じ、そして自分を再生していくのではないだろうか。この作品に登場する者たちも、それぞれに自分を見つめなおしていく。山と、それに関わる人たちの悲しみや苦悩がとてもよく描かれていて、楽しめる作品だった。

ゆこりん : 16:33 | コメント (2) | トラックバック (3) | 作者別・・しんぽゆういち

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コメント

おはようございます♪
ゆこりんさん!
ついに読まれたみたいですね!
真保さんらしい作品で、面白かったですよねヽ(^◇^)ノ彡
そのうち、別の山の作品も読んでみようと思ってます。

投稿者 ゆう : 2005年7月10日 11:15

ゆうさん、こんにちは~♪
やっと読めました(^^;図書館に予約するのを忘れた
ためにずいぶん待たされました。
でも待った甲斐があったわ♪本当に面白い作品でした。
山の描写もよかった!人間ドラマもよかった!満足です(o^-^o)

投稿者 ゆこリん : 2005年7月10日 14:37