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2005年6月13日

花散る頃の殺人(乃南アサ)


ホテルの1室から、70代後半と思われる老夫婦の死体が発見された。死因は青酸中毒。花の咲く季節に死を選んだ二人。「あの人たちは、どんな人生を歩んできたんだろう。」音道貴子は、二人の足取りを追い求める・・・。表題作を含む6つの作品を収録。

音道貴子32歳。警察官なのだけれど、一人の女性としてもきっちりと描かれている。どの事件も、実際の日常の中で起こり得るものばかりだ。背景にはやりきれないものもある。悩んだり、怒ったり、悲しんだりしながら、彼女は事件解決のために奔走する。彼女の両親や妹たち、そして同僚や近所の人たちとの関係も、読んでいて楽しい。これからもずっと彼女の活躍を見守っていきたいと思っている。

ゆこりん : 15:28 | 作者別・・のなみあさ