« 君たちに明日はない(垣根涼介) | メイン | 関ヶ原(司馬遼太郎) »

2005年4月28日

ボーナス・トラック(越谷オサム)


ひき逃げ事件を目撃!その直後から、草野はひき逃げされ死んでしまった横井亮太の幽霊に、まとわりつかれることになる。彼らは協力してひき逃げ犯を見つけ出そうとするが・・・。ちょっぴり怖くて、ちょっぴり切ない物語。

起こった事故は悲惨だし、幽霊にまとわりつかれるというのも怖い。しかし、明るくさらりと好感が持てる描き方だ。死んでしまった亮太にも悲壮感がまったくない。ただ、ひょうきんな彼がときおり見せるホンネの心が切なくて、ぐっとくる。誰だって死にたくはない。まして突然の事故でなんて・・・。悲しむ両親の姿を、幽霊の亮太が見るシーンは胸に迫るものがあった。ラストにも、ホロリとさせるものがある。死んでしまっても決して終わりではない。そう信じたい気持ちになった。

ゆこりん : 19:18 | コメント (9) | トラックバック (7) | 作者別・・こ他

このリストは、次のエントリーを参照しています: ボーナス・トラック(越谷オサム):

トラックバック

» 「ボーナス・トラック」越谷オサム from 宙の本棚
 土砂降りの真夜中、ハンバーガーショップの社員:草野哲也が運転する小型車を、黒っぽいボディの車が大音量の音楽を流しながら追い越していった。そして草野が目の端にと... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年4月30日 06:54

» 『ボーナストラック』 越谷オサム 新潮社 from みかんのReading Diary
ボーナス・トラック 第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。 大手ハンバーガーショップに勤める草野は、雨の降る夜、轢き逃げを目撃してしまった... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年5月 8日 09:02

» 「ボーナス・トラック」越谷オサム from 本を読む女。改訂版
ボーナス・トラックposted with 簡単リンクくん at 2005. 6. 8越谷 オサム新潮社 (2004.12)通常2〜3日以内に発送します。オンライ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年6月 8日 04:27

» 「ボーナス・トラック」越谷 オサム from ☆とまとの読書記録☆
幽霊が出てくるストーリーということだったので、ちょっとおっかなびっくりで読みました。 しかし、読んでいるうちに幽霊として登場する亮太に実に親しみを感じてしまい... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年6月12日 18:47

» ボーナス・トラック/越谷オサム from ひまさえあれば
毎日ハンバーガー屋の仕事に明け暮れる草野は車での帰宅途中,ひき逃げされたらしい大学生・亮太を発見。 その亮太がこともあろうにユウレイ(?)となって草野の前... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年6月16日 13:58

» 「ボーナス・トラック」越谷 オサム from 図書館で本を借りよう!〜小説・物語〜
「ボーナス・トラック」越谷 オサム ※国内、小説、ファンタジー、ユーモア、日本ファンタジーノベル大賞 不遇の文学賞と信じてやまない日本ファンタジーノ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年6月26日 13:40

» ボーナス・トラック 越谷オサム from 苗坊の読書日記
ボーナス・トラック オススメ! 草野哲也はいつものように、ファーストフードで長時間労働を終え、帰路についていた。 後ろから抜かしてきた車が、前方で停... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年4月20日 23:53


コメント

ユーモアあふれる作品ですが、なんとなくいい話でしたよね。
亮太は最初はしょうもない人間として描かれていますが、本当は心の優しい好青年なんですね。

投稿者 ほしぞう : 2005年4月30日 21:48

亮太があっさりと自分の死を受け入れ、全体的に軽い感じでしたが、
残された家族の悲しみもちゃんと描かれていてよかったです。
あのシーンがなければ、軽すぎる話になってしまっていただろうと思いました。

投稿者 小葉 : 2005年5月 1日 11:45

>ほしぞうさん
コメントありがとうございます。
亮太は見かけと違って自分の死をきちんと受けとめている
しっかりした人間だと思っています。だから彼のあの飄々とした
振る舞いがいっそう悲しさをさそいます。

>小葉さん
亮太の心の中のホンネの部分はきっと深刻なものではなかったの
かと想像しています。本当は「死にたくなかった~!」とわめきた
かったかもしれないと思うと、何だか切ないです。
自分の死を受け入れるまでには心の葛藤はあったと思って
いるのですが・・・。

投稿者 ゆこリん : 2005年5月 1日 13:19

このお話しに出てくる若者たち(幽霊を含む)が、なんて素敵なんだろう!と思ってしまう一冊でしたね。
ウジウジとひとりで考え込まないで、前向きな様子は読んでいてとても爽やかでした。
ぜひとも無事に成仏してほしいなぁと願いながら読み進めました。
タイトルも、そういう意味だったんだぁと思うと、ちょっと考えさせられました。

投稿者 とまと : 2005年6月12日 18:51

とまとさん、ヾ(@⌒ー⌒@)ノおはよう
突然死んでしまった亮太はやっぱりかわいそうです(TT)
幽霊が出てくるけれど怖くない、さわやかな話だと
私も思いました。
タイトルの持つ意味も深いものがありますよね。
ラストはちょっと切なかったです。

投稿者 ゆこリん : 2005年6月13日 08:26

ゆこりんさん…TBさせてくださいね。
最近タイトルに惹かれて読む本が増えました。
しかもミステリィ専門だったはずなのに「ええ話」ばかり(笑)。
おまけにファンタジーはNGだったんですけどね…結構よかったです(ちょっと怖かったけど^^;)。

投稿者 ユミ : 2005年6月16日 13:54

ユミさん、こんにちは~v( ̄∇ ̄)v
幽霊が出てくるけれど怖くなくて助かりました。
実は私も怖がりなのです。そのわりには怖い話が
好きなんですけど(^^;
あっという間に幽霊になってしまった亮太はちょっと
かわいそうでした。まだまだやりたいこともあった
だろうにと思うとうるうるします(TT)

投稿者 ゆこリん : 2005年6月16日 14:55

こんばんわ^^
この作品は好きですね~
越谷さんの作品は2冊読みましたがどちらも爽快感が抜群ですよね!
とってもかわいそうな話ですが、面白さやひょうきんさがあって、良かったと思います。
ラストも良かったですね。

投稿者 苗坊 : 2007年4月20日 23:55

>苗坊さん
(*^o^*)コ(*^_^*)ン(*^O^*)バ(*^_^*)ン(*^O^*)ワーー!
ひょうきんさの陰にはきっと誰にも言えない
深い悲しみがあるんじゃないか?と思いながら
読んでいました。やはり死ななければならないという
状況はつらいですよね・・・。
コメント、TBをありがとうございました。

投稿者 ゆこりん Author Profile Page : 2007年4月21日 19:17